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北京五輪を観戦して…

2008年の一番のイベントと言えば、やはり「北京五輪」でしょう。水泳の北島康介選手そして女子ソフトボールでも金メダルを獲得し、日本中が沸きました。サッカー競技でも、なでしこジャパンがメダルには届きませんでしたが、確実に成長している結果を残し、その強化の成果を見ることが出来ました。

しかし、男子サッカーでは、前回のアテネ五輪に引き続き、残念ながら予選敗退という厳しい現実を突きつけられました。アテネでの反省を活かし、4年間強化してきたサッカー五輪代表でしたが、その結果を出すことが出来ず、逆に世界との差を見せつけられたように思いました。

特に、決勝戦のアルゼンチン対ナイジェリアの試合は、技術・体力面はもちろんの事、相手との駆け引きなど、フル代表の試合ともひけをとらない試合内容でした。身体能力を活かしたナイジェリア代表の攻撃に、ボールが無いところでの微妙な駆け引きで守備をするアルゼンチン代表。まさに、ハイレベルな戦いでした。

日本に足りないものとして、いつも挙げられるのが「決定力不足」。今大会でも、この言葉が重くのしかかります。日本人の特徴を活かした「人とボールが動くサッカー」を目指す反面、パスは回しているが、なかなかシュートが打てないというのが今の日本代表なのかもしれません。やはり世界の強豪と言われるチームは、攻撃に関しては、常にゴールに向かうプレーが繰り返されています。

この原因としてあるのが、「日本人のメンタリティー」と言われています。相手ゴール前で、積極的にシュートを打てば良いのに、隣にいる味方選手へパスし、チャンスを逃す場面をよく見かけます。これは小さい頃から、「自分」よりも「他人」、「シュート」よりも「パス」を選択するような環境にあることが原因のひとつと考えられます。

逆に、ブラジル人などは、毎日が生き残りをかけた競争で、自分をアピールしなければ、試合に出れない→クビになる→生活できない、という考え方があるので、いつも必死に自分のプレーを監督にアピールしています。前述のようなゴール前での場面でも、基本的にチャンスがあれば、自分で相手をかわし、ゴールを奪うというシーンをブラジルではよく見かけました。

日本のJリーグにおいても、得点王争いをしているのは、いつも外国人選手ばかりです。ブラジル人はいつも上位に位置し、優勝争いにも貢献しています。日本で無名な外国人選手でも、そのハングリー精神から日本代表クラスの攻撃選手よりも得点を取っています。シュート数においても、外国人の得点王の選手は、日本人で一番得点している選手の倍以上シュートを放っているというデータもあります。やはり、シュートを打たなければ得点は入りません。ゴールを目指したパス回し、攻撃が必要なのでしょう。

やはり世界との差を埋めるには、外国人との体格差を考慮すると、なるべく相手との接触を避けるために、日本人の特徴である器用さ・敏捷さを駆使して「人とボールが動くサッカー」が目指す方向性だと思います。ただ、現在の日本代表は、ただ単にパスを回しているだけで、攻撃の最終目的あるゴールを目指すという姿勢が足りないのではないでしょうか。

エストレーラFCの指導の現場でも、同様の問題は常についてまわります。私たちも指導の中で、最終的な目的はゴールを決めることであり、そのためにドリブルやパスを使うということを常に伝えていかなければなりません。確かに、シュートを打たなければ得点は生まれません。かと言って、何でもかんでもシュートすればいいのかというと、これも違うと思います。

やはり、子供たちの自由な発想の芽を摘み取らず、その中でドリブル・パス・シュート、どのプレーを選択すれば良いかという判断力を、小さい頃から身に付けていくことが大切なのだと思います。アルゼンチン代表のボールが無いところでの駆け引きのように…。そしてシュートに関しては、失敗を恐れずチャレンジできる環境を、私たち指導者はいつも提供しなくてはなりません。

このような指導は、なかなか難しいですが、やはり将来日本代表を夢見ている選手たちをお預かりしている以上、常に心がけて指導にあたらなければいけないと、あらためて再確認できた北京五輪でした。
2009.01.23 Friday | - | -

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